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はるか彼方に雲仙普賢岳を望む 「ED76+20系寝台」


1994. 8.16 鹿児島本線 上田浦→肥後田浦



1994年の夏、引退が噂されていた20系寝台を撮影するため九州を訪れた。
ターゲットは鹿児島本線の海沿いを行く「霧島」の返却回送。初日は肥後二見のみかん山から。
薄日だったが贅沢は言ってられない。

翌日は定番の上田浦俯瞰を訪れた。
天気もよく朝から上気分。「なは」「つばめ」などを撮影しながら本番を待つ。
定刻より少し遅れてやってきた20系ハネは、お決まりの雲を引き連れてきた。ヤバイなと思った時には既に遅く、カマと一両目半分は影の中。よくある事だがこの時はさすがにショックだった。

これはリベンジしかない、と友人共々考える事は同じ。翌日も早朝から同じポジションに陣取った。
よく見ると昨日はわずかに霞がかっていたためよく見えなかった対岸の山がくっきり見える。これは縦の方がいいなという事で、皆で縦位置アングルの開拓を行った。

今日は雲の心配もなさそうだ。この頃は「なは」も前座、アングル確認を兼ねて撮影。20系ハネも申し分ない状況で撮影でき意気揚々と引き上げた。

翌日は薩摩大川〜西方でも快晴の中撮影でき、大満足の九州旅行だった。

後日、仕上がったポジを見るとコマごとに山の稜線が微妙に違う。ちょうどこの時期火山活動が活発であった雲仙普賢岳の小規模火砕流を写し込んでいたのだった。